ジョニ・ミッチェルとジャコとのコラボレーション最終作となった同名アルバムのDVD版。CDだけを持っていた私は、CDには未収録の《Jaco's Solo》をどうしても観たくて購入。お得意のディレイマシーンを使ったジャコのベースソロは期待を裏切らないハツラツとしたプレイだった。最後にディレイのスイッチを切りに来るシーンがGood! このほか《Raised On Robbery》がCDに無かったりするので、どうしても両方を揃えたくなってしまう。このライブのハイライトとなる《HEJIRA》には、プロモーション・ビデオ・クリップと思しき男性スケーターのアイス・ダンス映像が挿入されているが、この演出は賛否がわかれるところだろう。「理由なき反抗」のワンシーンや、女流飛行士アメリア・エアハートの映像を織り交ぜるなどの工夫は今の感覚で観ると稚拙に感じるが、夢のような顔合わせで最高のライブ楽しめることと、ジャコの生き生きとした映像が収録されていることで、全てを帳消しにしてくれる名作である。
Live In Montreal
Jaco Pastorius (2000)
- Overture (Opening)
- Chicken
- Donna Lee
- Bass Solo
- Mr. Phone Bone
- Funny May
Amazon
HMV
TOWER
Amazon
HMV
TOWER
1982年2月ジャコはウェザーリポートを正式に脱退。同年9月にはオーレックス・ジャズ祭に出演(『TWINS I&II』に収録)。その直前の7月に行われたモントリオール・ジャズ祭にランディブレッカー(tp)、ボブ・ミンツァー(ts)、オセロ・モリノウ(steel-ds)、ピーター・アースキン(ds)、ドン・アライアス(per)と出演したのがこの映像。「ザ・チキン」では顔にウォーペイントを塗っている。右にランディ、左にミンツァーとモリノウ、奥にはアライアスとアースキンを従え、ステージの中央を動き回る。6分弱「ベース・ソロ」はウェザー・リポートやジョニ・ミッチェルのライブ作品と同様にディレイマシンを使ったもので、演奏時間も長くファンにはたまらないものとなっている。ラストにはジャコが多くのライブでよく演奏した小作品「アメリカ(Amerika)」も顔を出す。
続くミンツァーのオリジナル「ミスター・フォーン・ボーン」は、コンテンポラリーな佳曲で17分を超える長尺物だが、テンションが下がらず実にエキサイティングな演奏。ラストはジャコが大好きなR&Bナンバー「ファニー・メイ」だが、ジャコが歌うシーンが収められたものはこの映像しかないので貴重である。右の2つは2006年と2007年秋にリイシューされたDVDのニューカバージャケット。
Jaco Pastorius: Modern Electric Bass
Jaco Pastorius (2002)
- Introduction
- Interview (1st)
- Example 1: Finger Spacing
- Example 2: Major Scales In Strech Position
- Example 3: One Octave Major Scale In 2nds
- Example 4: Major Scale In Consecutive 3rds And 2nds
- Example 5: Major Scale In Broken 3rds
- Example 6: Major Scale In 2nds And 3rds
- Example 7: Major Scale In 6ths
- Example 8: "Jam In E"
- Example 9: Arpeggios--Fingerboard Memorization
- Example 10: Arpeggios--Ascending Chromatically
- Example 11: Double Stops
- Example 12: "The Real Deal"
- Example 13: Major 7th Arpeggios
- Example 14: Whole Tone Scale--Alternating Fingers
- Example 15: Alternating Fingers With Different Numbers
- Example 16: Duet
- Interview (2nd)
- Example 17: Right Hand Raking With Left Hand Muting
- Example 18: Two Hand Muting--Scale In 3rds
- Example 19: Two Handed Muting--Extended
- Example 20: String Crossing--Major To Minor Chords
- Example 21: String Crossing In 4ths
- Interview (3rd)
- Example 22: "Barbary Coast"
- Example 23: Tuning With Harmonics
- Example 24: False Harmonics
- Example 25: False Harmonics--Scale In 3rds
- Example 26: False Harmonics--Scale And Arpeggio Patterns
- Example 27: False Harmonics 2
- Example 28: Remembering "Tracy"
- Namia
- Interview (4th)
- Example 29: Jerry's Time With B. B. King
- Reggae
- Funky Blues
- America
1985年にリリースされた映像のDVD版。ジャコが影響を受けた大先輩ベーシスト、ジェリー・ジェモッドからインタビューを受け、ジャコが時おり演奏を交えながら質問に答えていくベースの教則用映像。ジーンズにニット、黒のベレー帽でベースを構えた自然体のジャコが基本的なフィンがリング、アルペジオ、ハーモニクスなど、自分のテクニックと音楽的な背景までを語っている。インタビューの中随所に散りばめられたエクササイズは29にも及び、中にはフレッテッドで《トレイシーの肖像》《バードランド》《オコンコレ・イ・トロンパ》と、フレットレスで《コンティニューム》《ナイーマ》を聴くことができる。中でも《トレイシーの肖像》は、ジャコ自身のハーモニクスの実際をとらえた貴重なもの。おまけとして、ジョン・スコフィールド(g)、ケンウッド・デナード(ds)のトリオによるフリージャムセッション《ザ・チキン》、さらにケンウッド・デナードとのデュオで《アメリカ》を収録。これらのセッションは20分にもおよび、エンディングはジャコ自身のピアノによる《リバティ・シティ》で締めくくる。
Jaco Pastorius Big Band Live In Japan

Jaco Pastorius Big Band (2005)
- Invitation
- Soul Intro / The Chicken
- Donna Lee
- Continuum
- Sophisticated Lady
- Liberty City
- Three Views Of A Secret
- Okonkole Y Torompa
- Reza / Word Of Mouth / Giant Steps / Reza
Amazon
HMV
TOWER
Aurex Jazz Festhival '82の模様を収録したDVD作品。CDでは『Twins I&II』でそのプレイを堪能できるが、このときの映像を見ることができるのは嬉しい。2005年4月には『 Twins I&II』では収まらなかった講演を補間した『Dnna Lee Live at Budokan '82』がリリースされたが、これら全作品を鑑賞することでオーレックスジャズ祭の様子をよりいっそう楽しめる。話を本DVDに戻すが、映像品質の面からは正直言ってあまりお奨めできるものではないが、トゥーツ・シールマンスとジャコとのやりとりが微笑ましいし、トゥーツの映像としても価値がある。もともとNHKで放送された番組のためのソースだったはずなのだが、どういうわけかインポート扱い。チープなカバージャケットで、ライナーも入っておらず、どう見てもブートレグの様相。収録内容そのものになんら問題がないだけに実に悔やまれる。右上は2007年8月にリイシューされたTシャツつきバージョン(黒地に白、オレンジ、パープル、ブルーの絵柄でジャコがプリントされたTシャツの4タイプがある)。
Live At Montreaux 1976
Weather Report (2006)
Disc-1
- Elegant People
- Scarlet Woman
- Barbary Coast
- Portrait Of Tracy
- Cannon Ball
- Black Market
- Drum and Percussion Duet
- piano and Saxsophone Duet
- Dr. Honoris Causa And Directions
- Badia
- Gibraltar
1976年にフランスで放送されたモントルー・ジャズ祭にウェザー・リポートが出演したときのライブ映像。ジャコ自身のメジャーデビュー盤『Jaco Pastorius』がリリースされた年になる。ザヴィヌル(key)、ショーター(sax)、ジャコ(b)、アレックス・アクーニャ(ds)、マノーロ・バドレーナ(per)という、ウェザー黄金期の演奏で、オリジナルアルバムで言えば『Heavy Weather』のときのメンバーである。
ソングリストも魅力的なラインナップで、《Barbary Coast》、《Portrait Of Tracy》も含まれる。76年はジャコは加入したばかりで、二つの自作曲が取り上げられるのは破格の扱いといってよいだろう。自ら直接売り込み、憧れのグループに加入したジャコはハツラツとしており、その表情は初々しい。まだトレードマークのヘアバンド&長髪ではなく、音楽好きの青年そのままである。バックのリズム陣、特にマノーロ・バドレーナの存在感もこの映像のトピックになるだろう。 国内盤と輸入盤ではチャプター数(収録曲数)が異なるが収録内容は同じ。ソングリストは輸入盤のもの。
Trilogue -Live In Berlin 1976
Jaco Pastorius (2010)
- Foreign Fun
- Accidental Meeting
- Zores Mores
- Trilogue
- Portrait Of Tracy
- Trio Song
- Ant Steps On An Elephant's Toe
1975年のベルリン・ジャズ祭にアルバート・マンゲルスドルフ(tb)、アルフォンス・ムザーン(ds)と出演したライブの映像。既発のCD盤はLP時代の内容をそのまま引き継いでいるため5曲のみの収録であったが、こちらは《Trio Song》、《Portrait Of Tracy》の2曲が追加されている。この作品についての詳細はCDの案内に譲るが実はこの商品、以前にDVD+CDの2枚組ブートレグで出回っていたものだが、今回は映像のみの単体売り。CDの正規盤はマンゲルスドルフを筆頭に、ジャコ、ムザーンの共同名義でMPSレーベルから出されているが、この製品は別なレーベルでジャコの単体名義になっている。たぶんブートレグであろう。とはいえ、ジャコの映像作品は増えるのは嬉しい。
The German Concerts
Berlin 1975, Offenbach 1978, Cologne 1983
Weather Report (2011)
<Berlin 1975>
DVD1
- Freezing Fire 8:21
- Scarlet Woman 8:43
- Mysterious Traveller 4:48
- Badia / Boogie Woogie Waltz 19:44
<Offenbach 1978>
DVD2
- Black Market 11:13
- Scarlet Woman 9:24
- Young And Fine 6:46
- The Pursuit Of The Woman With The Feathered Hat 6:49
- A Remark You Made 7:04
- River People 7:52
- Thanks For The Memories / Dolores 3:47
- Portrait Of Tracy / Third Stone From The Sun 9:46
- Mr. Gone 8:32
- In A Silent Way 2:20
- Waterfall 1:50
- Teen Town 8:08
- I Got It Bad And That Ain’t Good / The Midnight Sun Will Never Set On You 8:50
- Birdland 6:49
- Introductions 1:47
- Fred & Jack 6:16
- Elegant People 8:09
- Badia 13:29
<Cologne 1983>
DVD3
- Procession 9:59
- Fast City 9:10
- The Peasant 9:48
- D Flat Waltz 12:45
- Blue Sound Note 3 9:00
- Duet Jose Rossy & Omar Hakim 2:58
- Two Lines 12:19
- Plaza Real 7:09
- Medley 12:55
Black Market
Elegant People
Badia / Boogie Woogie Waltz
A Remark You Made
Birdland - The Duet 7:54
- Where The Moon Goes 12:21
ウェザー・リポート結成40周年記念で発売されたDVD3枚組ボックスセット(5枚組CDボックスも同時発売)。収録されているのは1975年、1978年、1983年のドイツで行われたライブ。78年と83年は同国のTV番組「Rockpalast」用に録られた映像である。
78年の公演はこれまでに2つの単発作品(『Young And Fine Live!』と『Forcast: Tomorrow』)として販売されているが、75年と83年のライブ映像は正規盤としては初公開であろう。これら3つのステージは、CD作品と同様にインポートの単発作品として販売されているが、このボックスセットのほうが断然お買い得だ。
ベース好きとしては、上に掲載したジャコの9分にもわたるベース・ソロがイチオシなのだが、力強い伸びのある低音とアーシーなグルーヴのアルフォンソ・ジョンソン、ジャコに引けを取らない確実なテクニックと、音選びのセンスの良さが光るヴィクター・ベイリー。この三者三様を楽しむ目的で買って大正解。ピーター・アースキンのドラム・ソロや、オマー・ハキムとホセ・ロッシーのデュオなど、打楽器オンリーの演奏は映像のほうが断然楽しめる。それぞれのステージで同じ曲を演奏していたりするので年代ごとに見比べ(聴き比べ)をするのも面白いだろう。
ジョーがキーボードの端を叩いてパーカッションの音を出していたり(78年のステージ)、ウェインがアコースティック・ピアノを弾いていたり(75年のステージ)する場面がある。映像でしか知りえないサウンドのウラ側を覗き見る楽しさ満載のボックスセットである。